全国大会で、ハラスメント防止に関する宣言がなされました。

本学会では、理事会の審議を経て、会長より全国大会の開催に際して,以下のハラスメントに関する防止宣言を致します。

会員の皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。

教育システム情報学会  ハラスメント防止宣言

他者を不快にさせ,傷つける行為としてのハラスメントは,被害者に多大な身体的・精神的苦痛を強いるものであり,その防止が社会的に強く求められています.大学等の教育研究機関においても,性的言動を含むセクシュアル・ハラスメントや,教育研究上の優越的な地位を利用した言動によるアカデミック・ハラスメントを防ぐための組織的な環境作りが進み,所属する教職員ひとり一人の倫理観の向上が期待されています.複数の教育研究機関の関係者や学生が対等な研究者として参画する学会でも,会員ひとり一人がハラスメントに対する意識を高めるとともに,組織全体で事案の発生を見過ごすことなく,適切に対処することが求められています.同一の研究領域に沿ったコミュニティでの学会活動では,当該領域での権威的な地位や研究指導の立場に影響された高圧的言動によって,ハラスメント事案が常に潜在化している可能性があります.こうしたことを,会員ひとり一人が常に意識できるように,学会が様々な機会に,防止の周知・徹底を図ることが肝要と考えます.また,万が一,ハラスメント被害の事案が発生した場合には,被害者の痛みに寄り添いながら,学会活動における権利侵害に対して速やかに本来の活動が回復できるように支援することが重要と考えます.

本学会では,現在男女共同参画の実現の趣旨に沿って,理事会を中心に円滑な研究活動の支援を図る施策の検討・推進を図っています.この一環で,セクシュアル・ハラスメントの防止も継続的に検討してきました.また,研究教育活動の自由な発展の観点から,将来の教育システム情報学領域を担う学生が自由闊達に学会での研究の議論に参加できる環境作りを常に考えています.そのため,アカデミック・ハラスメントの防止にも,研究会や全国大会の発表の場を通じて,会員向けに周知を図ってきました.

以上の学会を取り巻く社会的な要請と本学会が取組んできた内容を踏まえ,教育システム情報学会は,学会活動におけるハラスメント防止のために会員向けの啓発活動を図り,性差別や人権侵害のない自由な研究活動の場の提供に努めることを目指し一層の取組推進を図っていくことを宣言します.

2020年9月2日
教育システム情報学会 会長 柏原昭博