
昨今,「学び」に対する社会の注目度はますます高まり,また教育現場でのICT活用が本格的に始まろうとしようとしていますが,本学会が長きに渡って蓄積してきた研究成果である教育・学習支援の方法や技術は,こうした社会情勢に十分応えることができるものといえます.また,現代において多様化を増す学びに対しても適応可能なものと考えられます.
一方,こうした本学会が有するポテンシャルを十分に発揮できているかどうか,今一度振り返ってみることも有意義かもしれません.JSiSEが対象とする社会は,主に学校はじめとする様々な教育現場になるかと思います.しかし,そこに学術的な研究成果を即応的に導入するにはまだまだ課題も多く,簡単なことではありません.かといって,手をこまねいていては,折角のポテンシャルも絵に描いた餅で終わってしまいます.
かつてないほど,「学び」とその技術的支援が脚光を浴びている今こそ,JSiSEそして会員の皆様が有するポテンシャルを社会に還元する絶好のチャンスではないでしょうか.学会としても,学会活動のより一層の活性化とともに,研究成果を社会へ還元するための具体的な策を講じていきたいと考えています.そして,研究分野だけでなく,社会に対しても高いプレゼンスと求心力を備えた学会となっていけるように努力していく所存です.皆様からもご支援をお願いできれば幸いです.
【参考文献】
柏原昭博:教育システム情報学を担う学会の未来像,教育システム情報学会誌 Vol. 36, No.4 (2019).
教育システム情報学会会長/柏原 昭博