第43回教育システム情報学会全国大会

企画セッション

AI/ロボット/VR・ARを用いた学習・教育支援のイノベーション・リノベーション

オーガナイザ:
柏原昭博(電気通信大学),松居辰則(早稲田大学),平嶋宗(広島大学),松原行宏(広島市立大学),長谷川忍(北陸先端科学技術大学院大学),曽我真人(和歌山大学),小尻智子(関西大学),小西達裕(静岡大学)
概要:
先端的情報処理およびコミュニケーション技術であるAI,コミュニケーションロボット,VR・ARは,これまでの学習・教育支援に革新あるいは抜本的改善をもたらすものとして大きな期待が掛けられている.真のイノベーションを学習支援にもたらすには,これらの技術を司る支援モデルのデザイン,支援アルゴリズムの開発が不可欠であり,これまでの学習・教育支援システム研究の中心はまさにそこに焦点を当ててきたといえる.一方,AI・ロボットなどの研究領域では,先進的技術を活用した学習・教育支援の研究が活性化してきており,社会的にも大きな注目を集め始めている.本学会は,先端的技術の活用を重要課題としてきた経緯から,この時流に大きく貢献することができる.一見して技術応用の研究に見えるかもしれないが,コアとなるモデルやアルゴリズムが必ずしも新規でなくても,先端的技術によってUXが大きく向上したり,従来システムよりも自然かつ効果的なインタラクションが実現されることにより,学習者のシステムに対する積極的関与の姿勢や動機付けなど,従来の支援を抜本的に改善する様々な可能性が考えられる.こうした従来の学習支援に対するリノベーションという点でも,AIやロボット技術を基盤とする研究には大きな価値を見出すことができる.そこで,本企画セッションでは,先端的技術を基盤として学習支援にイノベーションをもたらそうとする研究,および従来の支援に対するリノベーションをもたらすことを狙いとして研究を一堂に会して,本学会における先端的技術を活用する研究を推進したい.
なお,本学会学会誌では,2020年4月発行の特集号テーマに「人工知能・ビッグデータがもたらす新たな学習・教育・管理の促進(仮題)」を予定している.本企画セッションのテーマはこの特集号の対象分野のうち重要な部分を占めていることから、是非発表内容を発展させて本特集号への投稿を検討いただければ幸いである.
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
技術 →先進的学習支援技術 →先進的学習支援
キーワード:
アフェクティブコンピューティング,機械学習,VR,AR,AI,コミュニケーションロボット,イノベーション,リノベーション

ラーニング・アナリティクス(LA)の先進事例と課題

オーガナイザ:
松居辰則(早稲田大学),緒方広明(京都大学),柏原昭博(電気通信大学),田村恭久(上智大学),林佑樹(大阪府立大学),村上正行(京都外国語大学),吉田自由児(デジタル・ナレッジ),加藤泰久(NTT),北村士朗(熊本大学),仲林清(千葉工業大学),真嶋由貴惠(大阪府立大学),森本容介(放送大学)
概要:
ラーニング・アナリティクス(LA:Learning Analytics)への期待は大きい.大規模な学習履歴,あるいは粒度の細かな学習行動履歴,生体情報等から学習者の学習過程のみならず思考過程,心的状態をも把握できる可能性に期待が寄せられている.学習評価・教育評価の観点からは「今までできなかったこと」,つまり,学習プロセスに関する評価の可能性への期待であると考えられる.学習評価・教育評価の本質的な目的は授業改善・学習環境改善にある.したがって,LAは学習環境デザインの文脈の中で「技術と人間の共生」という考えのもと戦略的かつ計画的に位置づけられる必要がある.単に大規模データの収集と分析で解決できるものではなく,学習環境デザインの本来的な課題も含めて挑戦するべき新たな課題も多いと考えるべきである.そこで,2016年度,2017年度に引き続き,本企画セッションでは,LAに関する理論・技術・実践の先進的な事例をご紹介いただき,実効性の高いLAに向けた課題を共有し,LAが優れた学習環境デザインのための基盤となるために取り組むべき課題を整理したい. なお,本学会学会誌では,2020年4月発行の特集号テーマに「人工知能・ビッグデータがもたらす新たな学習・教育・管理の促進(仮題)」を予定している.本企画セッションのテーマはこの特集号の対象分野のうち重要な部分を占めていることから、是非発表内容を発展させて本特集号への投稿を検討いただければ幸いである.
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
支援対象 →設計 →学習環境デザイン
  →分析・評価 →学習者特性・行動分析
    →学習評価・アセスメント
技術 →先進的学習支援技術 →分析技術
キーワード:
学習科学,ポートフォリオ,テスト理論,レスポンス分析,数理モデル,データマイニング,ラーニングアナリティクス,ビッグデータ,学習過程,思考過程,心的状態,生体情報,学習履歴

医療・看護・福祉領域におけるICT等活用教育

オーガナイザ:
真嶋由貴恵(大阪府立大学),丹羽雅之(岐阜大学),中村裕美子(大阪府立大学),木下淳博(東京医科歯科大学),須永昌代(東京医科歯科大学)
概要:
本企画セッションでは,医療・保健・福祉全般にかかる教育活動における有効なICT,ロボット等の先進的なユーザインターフェースの利活用について議論できる場としたいと思います.例としては,医師や看護師,メディカルスタッフなど医療・保健・福祉全般の専門職特有の状況に合わせた新人教育,現任教育や継続教育方法,離職していた医療職等の再就職支援に関することなど,恒常的にこの分野の質向上を図るための教育デザインと実践報告,また,療養を支援するための患者指導,企業や学校,地域で行われている健康教育等における実践など,多くの方と情報を共有でき,交流できる機会となれば幸いです.
カテゴリ表との対応分野名
議論観点 カテゴリ 分野名
支援対象 →領域別教育  →医療・看護・福祉教育
キーワード:
医療者教育,専門職教育,継続教育,社会人教育,施設内教育,研修デザイン,スキル学習,健康教育,患者教育,インストラクショナルデザイン,ICT活用,eラーニング,ユーザインターフェース,質保証

対話(dialogue)は学習にどのような役割を果たしているのか

オーガナイザ:
山川修(福井県立大学),田中洋一(仁愛女子短期大学),中村一浩(慶応大学) 概要:文部科学省は,新しい学習指導要領の目玉として「主体的で対話的で深い学び」という考え方をあげている.しかし,対話が成り立つための条件等は資料からは見えてこない.一方,医療やビジネス分野においても,対話により精神疾患を治癒したり,対話がイノベーションを促進するという研究が発表されている.また,対話が学習にとって重要であるという言説を否定する方は少ないと思うが,対話が成り立つための必要十分条件は,と問われて即答できる方も少ない.
本企画セッションでは,学習にとって対話がどのような役割を果たしているか,対話が成立する条件は何か等,実践研究,理論研究を問わず,学習と対話の関係を探求した研究発表を募集する.また,本セッションでは,研究発表だけに終わらず,最後に,発表者および参加者全員で,学習と対話に関する対話を実施し,対話によって対話を探求するという試みも実施する予定である.
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
支援対象 →教育・学習手法 →協調学習
キーワード:
コミュニケーション支援,コミュニティ支援,グループ学習,対話,ダイアローグ

小型ハードウェアと電子工作による教育システム・ツールの開発

オーガナイザ:
渡辺健次(広島大学),國宗永佳(千葉工業大学),越智洋司(近畿大学)
概要:
本企画セッションでは、小型ハードウェアと電子工作を活用した新しい教育システムの開発に関して、発表および議論を行う。近年、Raspberry Pi、Arduino、micro:bitおよびセンサー等の機器などの、小型ハードウェアを活用した教育システム・ツールの開発に注目が集まっている。従来JSiSEで発表される多くの研究はソフトウェアの活用がほとんどであったが、これらの小型ハードウェアと電子工作を活用することで、新しい教育システム・ツールが開発できる可能性がある。本企画セッションは、小型ハードウェアと電子工作のアイディア・実装事例の情報を交換することで、新しい分野の教育システム・ツール開発研究の萌芽を共有することが目的である。完成された研究だけでなく、Work in Progress的な発表も歓迎する。
カテゴリ表との対応(議論観点)
技術
その他
キーワード:
小型ハードウェア、電子工作

ICTを活用したPBL(problem / project based learning)の支援

オーガナイザ:
高橋聡(東京理科大学),高橋 B. 徹(東京理科大学),瀬田和久(大阪府立大学),笠井俊信(岡山大学)
概要:
近年,知識の使い方や身に着け方を学ぶ教育方法が重要視され,学校教育への導入が進んでいます.こうした教育方法の代表例として,PBL(problem / project based learning)が挙げられます.一方で,PBLの実践に関して,いくつかの課題が明らかになってきています.例えば,“PBLでは学習者の主体的な活動を重視するがゆえに,授業のコントロールが難しい”.“知識教育とは異なり,学習者の学習状態の把握や学習成果の評価が難しい”.この状況に対して,ICTを利用し,このような課題を解決するための様々な取り組みが行われています.
本企画セッションでは,PBLに関するICTの活用に関する研究を広く募集し,討論を行います.特に,ICTを活用したPBLの教育実践例, ICTによるPBL学習者の学習評価機能や学習支援機能の開発例,ICTによるPBL教育者の指導支援機能の開発例,ICTのログデータなどを活用したPBLの学習プロセスの可視化や分析例などの発表を歓迎いたします.
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
支援対象 →教育・学習手法 →アクティブラーニング
  →分析・評価 →学習者特性・行動分析
    →学習評価・アセスメント
    →学習評価・アセスメント
キーワード:
PBL,学習履歴,グループワーク評価,個人学習,協調学習,ICT活用

新技術と教育情報を活用した教育学習環境の設計

オーガナイザ:
佐々木整(拓殖大学),三石大(東北大学),光原弘幸(徳島大学),高木正則 (岩手県立大学),鷹野孝典 (神奈川工科大学)
概要:
新しい技術の登場は、次世代教育・学習環境の設計・開発・実践について新しい発想を与えてくれるとともに、その実現に欠かせないものとなっています。スマートディバイスやクラウドコンピューティング、IoT、ディープラーニング、ロボット、VR・AR技術など、多様な新技術の利用に基づく教育・学習環境の構築や授業設計がますます重要になっていくことでしょう。
本企画セッションでは、このような新しい技術と教育情報を活用した次世代教育・学習環境について、そのための教授設計も含め、システム・基礎技術の開発、実践、ならびに、新しい教育・学習手法に関する幅広い研究発表を募集し、共に考える議論の場としたいと思います。
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
技術 →ICT活用 →デバイス活用
    →フラットフォーム活用
キーワード:
モバイル、タブレット、IoT、LMS、CMS、スマートディバイス

新学習指導要領とプログラミング教育

オーガナイザ:
永田奈央美(静岡産業大学),鷹岡亮(山口大学),西野和典(九州工業大学),西端律子(畿央大学),浅羽修丈(北九州市立大学),長谷川理(信州大学),山本樹(創価大学)
概要:
高等学校の学習指導要領が改訂され、いよいよ2020年度(平成32年度)からの実施にむけて学習内容・学習方法、学習教材等の準備が本格化してきました。小学校では、各教科等の特質に応じて実際のプログラミング体験を行いながらプログラミング的思考を育み、中学校では、技術・家庭科を中心に計測・プログラミングやネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング等が展開されます。そして、高等学校では、必履修科目「情報I」においてプログラミングやシミュレーションによって問題を発見・解決する活動が行われ、選択科目「情報II」においてはデータサイエンス手法によるデータ分析や情報システムを協働して開発する活動が組み込まれています。これらのプログラミング教育に関わる学習内容をどのような学習教材や指導方法で授業実践するのか?また、小中高の接続性を見据えたプログラミング教育をどのようにデザインすべきなのか?さらに、学校、教育委員会、企業、教育機関、大学等間で、いかに協働・連携すべきなのか?
そこで、本企画セッションでは、小学校、中学校、高等学校、大学におけるプログラミング教育について、学習内容・学習方法、学習教材、指導方法、またこれらの実践研究の共同・連携に関する発表を募集します。この機会に多くの皆さまにご発表、ご参加を頂き、新学習指導要領におけるプログラミング教育について議論できれば幸いです。
カテゴリ表との対応
議論観点 カテゴリ 分野名
支援対象 →領域別教育  →プログラミング教育
キーワード:
プログラミング教育,プログラミング的思考,アルゴリズム理解,授業デザイン,教材開発,学習方法,指導方法,小学校,中学校技術・家庭科,高校情報科